売り先行による住み替えとは？メリット・デメリットやコツをご紹介

住宅を買い替える際には、売却と購入のどちらを先におこなうかによって方法が異なります。
このうち一般的なのが売却を先におこなう「売り先行」ですが、メリットだけでなくデメリットも存在するため、コツを把握したうえで売却を進めましょう。
この記事では、売り先行の概要やメリット・デメリット、売却を成功させるためのコツをご紹介します。
売り先行での住み替えを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

売り先行による住み替えとは？

これまで住み替えをしたことがない方のなかには、住み替えの流れを詳しく知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
以下では、売り先行による住み替えの概要と流れをご紹介します。

売り先行とは？

売り先行とは、住み替えの際にまず現在の住居を売却し、そのあとに新居を購入する方法のことです。
現在の住居を先に売却することで、売却で得られた資金を新居の購入に充てることができます。
これにより、資金計画を立てやすくなります。
まとまったお金が手に入るため、堅実な住み替えを望む方におすすめです。
また、自宅の売却を急ぐ必要がないため、納得のいく金額で売却することができるというメリットもあります。

買い先行との違いは？

買い先行は、先に新居を購入してから現在の住居を売却する方法のことです。
この方法は、新居探しに時間をかけたい方や、特定の物件を逃したくない方に向いています。
新居にすぐに引っ越せるという利点がありますが、現在の住居に住宅ローンの残債がある場合、新居の購入でも住宅ローンを組むことになり、ダブルローンの支払いが発生します。
売却期間が長引けば、ダブルローンの期間も長くなるため、住宅ローンの残債がある場合は注意が必要です。

売り先行による住み替えの流れ

売り先行による住み替えでは、まず自宅の売却活動を始めます。
自宅に住みながらの売却活動をおこなう場合は、購入希望者の内見に対応できるよう準備するようにしましょう。
内見対応が難しい場合は、一時的に仮住まいをすることも考えられます。
買い手が見つかったら、物件の引き渡しをおこないます。
自宅の引き渡しから新居の引き渡しまでの間、仮住まいを用意しましょう。
仮住まい先としては、賃貸マンションやマンスリーマンションなどが選択肢になりますが、一時的にご実家に転居することも一つの手段です。
そのあと、新居の購入をおこない、売買契約を経て新居の引き渡しを受けます。
仮住まいを退去し、新居に引っ越すことで、住み替えが完了します。

▼この記事も読まれています
不動産売却でかかる住民税の時期や計算方法とは？

売り先行で住み替えるメリット・デメリット

売り先行での住み替えには、メリットもあればデメリットもあります。
思わぬトラブルに発展しないためにも、メリットだけでなくデメリットも把握しておきましょう。
以下では、売り先行で住み替えるメリット・デメリットをご紹介します。

売り先行で住み替えるメリット

売り先行の方法には、資金面での多くのメリットがあります。
まず、資金計画が立てやすくなるという点が挙げられます。
自宅の売却金額を新居の購入予算に充てる場合、売り先行であれば売却金額が確定したあとに新居を購入できるため、予算や頭金などの計画を立てやすくなるでしょう。
また、新居の購入後に自宅を売却した場合、思ったよりも売却額が低くなってしまい、資金計画が狂うという心配がありません。
さらに、ダブルローンを避けられる点も大きなメリットです。
自宅の住宅ローンに残債がある場合、買い先行で住み替えをするとダブルローンの期間が発生し、家計を圧迫するだけでなく、新居の予算が下がるリスクもあります。
売り先行であれば、これらのリスクを回避できるため、家計が圧迫される心配がなく、住宅ローンの審査にも通りやすくなります。
さらに、住宅を急いで売却する必要がないため、不本意な値下げをせずに納得のいく価格で売却できるという点も重要です。
好条件で自宅を売却したい場合は、売り先行でじっくりと売却活動をおこなうことがおすすめです。

売り先行で住み替えるデメリット

売り先行での住み替えには、仮住まいが必要になるというデメリットがあります。
自宅を引き渡してから新居の引き渡しまでの間、仮住まいを用意しないといけません。
この期間には、仮住まいの家賃負担や引っ越し費用がかかることになります。
短期間であればそれほど負担にはなりませんが、新居が見つからず仮住まいの期間が長引くと、経済的な負担も大きくなります。
また、仮住まいにしている間も自宅への内見対応が必要です。
現在住んでいる家に購入希望者が内見に来ることになるため、対応に追われて新居探しができなくなる可能性があるでしょう。
内見への対応に時間を割けない場合は、先に仮住まいをしてから空き家の状態で売却する方法もあります。
不動産会社に鍵を渡しておけば内見に対応してもらえるうえに、空き家状態の方が売れやすくなるというメリットもあります。
ただし、仮住まいの期間が長くなればその分金銭的な負担が大きくなるため、仮住まいにどの程度費用がかかるのかを事前に確認しておくことが重要です。

▼この記事も読まれています
空き家を売るべきか貸すべきか？判断基準とポイントを解説！

売り先行による住み替えを成功させるコツ

売り先行で満足のいく住み替えをするには、コツをおさえて売却や購入を進めることが重要です。
売り先行による住み替えを成功させるコツを2つご紹介します。

不動産売買の需要が高い時期を選ぶ

不動産売買は一定の頻度でおこなわれるわけではなく、売買が活発におこなわれるシーズンとそうでないシーズンがあります。
自宅をより高い金額で売却するためには、売買が活発なシーズンを狙って売却活動を開始することが良いでしょう。
現在、中古不動産市場は売り手市場で取引が活発におこなわれていますが、もっとも活発なのは2月から3月のシーズンです。
この時期は新年度に向けた引っ越しのシーズンであり、不動産を購入したいと考える人が他の時期よりも多くなります。
需要が高まることで、売却価格が高騰する可能性も高くなるため、より良い条件で売却できるでしょう。

地域密着型の不動産会社を選ぶ

住み替えを成功させるためには、不動産会社の選定が非常に重要です。
売り先行の住み替えでは、地域密着型の不動産会社を選ぶことがおすすめです。
地域密着型の不動産会社は、その地域についての豊富な情報を持っています。
とくに、売却したい物件の実績が豊富で、その地域の不動産売却に強い不動産会社を選ぶことで、自宅を高く売却できる可能性が高まります。
また、自宅に住宅ローンの残債があり、住み替えローンを検討している場合は、自宅をなるべく高く売却することが重要です。
住み替えローンを利用すれば、住宅ローンの完済ができなくても住み替えが可能ですが、借入額が高額になるため、金銭的な負担が大きくなります。
そのため、家計への負担を減らすためにも、エリアの売却に強く実績が豊富な不動産会社に依頼し、住み替えローンの負担をなるべく減らせる価格での売却を進めることが重要です。

▼この記事も読まれています
不動産売却が長引く理由とは？期間や原因も解説

まとめ

住み替えは売却と購入のどちらを先におこなうかによって方法が異なり、先に売却をおこなう方法を売り先行と呼びます。
売り先行には資金計画が立てやすいなどのメリットがある一方、仮住まいが必要になるなどのデメリットも存在します。
満足のいく住み替えを実現させるには、需要が高い時期を選ぶ、地域密着型の不動産会社に依頼するなどのコツを活用すると良いでしょう。